コミュの仕立て屋さん ~表現のお直し 承ります~

「ナイス表現!」とかを拾っていったり考えたりするブログ

大学受験予備校の仕事は「人の管理」をすることなのだろうか

ある不良高校生が一人の熱血先生と出会うことで人格が変わり、猛勉強を重ねた結果、だれもが知っているあの一流大学に合格することができましたとさ。

おしまい。

 

 

 

本当ならこんなドラマのような仕事をしてみたいところだが、残念ながら生徒の性格までを変えるような仕事が出来た覚えはない。いつかはそんな仕事をしてみたいものだが、最近こんなことがあった。

 

 

 

とある高校3年生が他の塾と検討した結果、当方にご入会をいただいた。名前をカオリとしておく。

 

 

入会から1週間が経ったある日、カオリの保護者から連絡があった。彼女はアルバイトをしながら勉強をしているのだが「アルバイトより受験の方が優先順位が高いに決まっているのに、どうして塾の方からアルバイトを辞めて勉強に注ぎ込むように注意をしないのか」という内容だった。

 

 

 

わたしの仕事は「受験勉強に関する管理」は行うが「人の管理」を行うべきではないと考えている。

 

目標に対して学習時間が足りないのであれば、どうしてもっと勉強をしないといけないのか、と目的から話す。目的を理解してくれることで、初めて生徒は勉強をする理由を見出し、時間を捻出してくれる。もっと時間が必要、と感じてくれればその時にアルバイトをどうするか、という結論を本人が出してくれるだろう。

 

 

ここを動かさない限り、彼らにとって時間は無い。他人にはあるように見えても無いものは無いのだ。

 

 

この過程を飛び越えて、いきなりアルバイトを辞めるように伝えてしまえば、まるで人生を抑え込まれてしまった感覚になってしまうだろう。

 

 

 

学習塾は教育業ではない

 

われわれは〝塾屋〟である。

塾屋は勉強の成果を出すことが仕事のため、ここはどこまでも貪欲に追究しなければならない。つまり、受かり方とノウハウは教えるものの、そこに〝育てる〟はあまり含まれていない。もちろん、勉強を通じて計画の立て方や心構えを通じて人格が形成されるときもあるだろう。

 

しかし、ここは本筋ではない。少なくとも我々がそれを口にしてしまえばそれは塾屋の本分から逸れてしまうきっかけを作ると考えて、わたしは戒めている。

 

 

裏を返せば保護者の立場になったとき「志望校には合格しなかったけど、人としての成長を促してくれたので塾に通って本当に良かった」と、心の底から思える人はどれくらいいるだろうか。少なくとも、わたしが親ならそうは思えない。

 

 

「人はどうあるべきか」を1時間生徒に説く時間があれば、英語長文の解き方の話をしたいと思う一日でした。